「工事中は河川流量は減らない」と本気で考えていたのか?

平成25(2013)年9月18日に環境影響評価準備書が公告されました。

準備書では、静岡県内への発生土量が360万立方メートルであると試算されていました。これについて、県の審議会にて試算根拠を求める声が上がり、JR東海は同年12月26日の会議にて次のような表を提出しました。

zando-utiwake2.jpg
第3回静岡県環境影響評価審査会 配布資料4より

表右欄の中断をみると、静岡県内での本坑・先進坑掘削延長は約9400mとなっています。

ところが、準備書には、静岡県内での路線延長は約11kmであるとされていました。

この1700mの違いについてその後の追及もなく、当時は結局分からず仕舞いでした。私としては、1700m分の発生土は先進坑を通じて山梨・長野側へ搬出するのかな?ぐらいに考えておりました。

その後の県審査会での審議、環境省での審議、国土交通省による審査を経て、2014年8月29日にJR東海は、次のような評価結果を導き出します。
イメージ 1

国土交通省令に基づき、これは事業者が実行可能であるという判断のもとに書かれたものです。
(詳細:8/27の拙ブログ記事

その後2015年3月13日に、JR東海は山梨工区の施工業者の入札を開始するのですが、そのときは山梨県側坑口から7.7㎞すなわち静岡側約1㎞は山梨側から掘るとされていました。ただ、この時も理由は不明でした。

それから4年余りを経て、ようやく技術的な理由であるとの説明がなされました(山梨県境に近い静岡県部分を南北に延びる畑薙山断層を通過するためには下方から掘るべきであるという)。そしてこの断層付近での湧水は、トンネル完成まで静岡県側に戻すこともできないという認識が示されました。

すると上記の評価書の記述は何だったのだ?という話になります。

当初はアセス終了後に新事実が判明したのか?ぐらいに考えてましたが、冒頭の表の存在を思い出して考えが変わりました。

2013年の段階で、JR東海は静岡県部分の地下を一部山梨側から掘る計画だった可能性が高いと思われます。すなわち、この段階で既に畑薙山断層の技術的問題を想定し、山梨工区で生じた静岡県部分の湧水を静岡県側に戻せない時期があることを把握していたのではないのでしょうか。

工事中に水を戻せない時期が生じることを承知の上で「工事中は河川流量は減量しない」と書いていた可能性が高いと思われます。その場しのぎだったのかな?

いずれにせよ、JR東海は早く環境影響評価をやり直すべきです。間違いを放置してはいけません。



この記事へのコメント

2019年09月06日 11:34
2019年9月5日の愛知県・静岡県知事会談の結果(報道記録)
(ホームページアドレス 欄にリンク記載しました)
私の記事の末尾で、このページをご案内させていただきましたので、ご連絡まで。
かぼちゃ大好き
2019年09月06日 21:44
ありがとうございます。