今日もPRESIDENT  Onlineのトンデモ記事

今日もPRESIDENT  Onlineからトンデモ記事が配信されておりました。

作業員の命より静岡県の水が大事…リニア妨害のために「100年前の大渇水」で不安を煽る川勝知事の「情報工作」
https://news.yahoo.co.jp/articles/ac672489f21ee00473a966e79f3909aed8d0073f?fbclid=IwAR2t3iXKkcrWZT5Eo9SHSHHFJG692Xp4GKYi0MyAy6fkqiiM4qz1LWJUhSE

<1ページ目>
リニア中央新幹線の着工を拒否し続けている静岡県の川勝平太知事が、約100年前に大渇水をもたらした「丹那トンネル工事」を持ち出した。ジャーナリストの小林一哉さんは「100年前とは地質調査の正確性も工事の技術もまったく違う。いたずらに県民の不安を煽るべきではない」という――。

⇒丹那トンネルについては工学だけでなく郷土史、鉄道史など様々な視点からの研究がなされているのに、なぜ「ジャーナリストの小林一哉さん」に見解をうかがうのだろう?

また、「リニア工事で丹那トンネルの二の舞になる」などというフェイクニュースが流れ、不安感をさらに煽っている。
⇒そんなの流れてたっけ?

特にオカシイと思ったのは2ページ目の次の部分
丹那盆地の渇水を招いた最大の原因は科学技術の遅れである。
 それから約30年後、東海道線と並行して走る東海道新幹線は、1964年10月の東京オリンピック開会に間に合わせるよう4年5カ月という短い工期で全線を開業させた。最大の難所とされた新丹那トンネルは、16年もかかった丹那トンネルの経験と、最新の地質調査、掘削技術をフル活用し、わずか3年で貫通した。
 太平洋戦争を挟んで、戦後の急速な科学技術の発展が後押しした。
 大規模な崩落や渇水の被害などはなかったが、トロッコなどの事故で21人が殉職した。

■順調に開通した「新丹那トンネル」には一切言及せず
 川勝知事は会見などで、リニア妨害を意図して、何度も丹那トンネルによる丹那盆地の大渇水を話題にしてきた。(中略)
ところが、何らの渇水被害が見られなかった新幹線の新丹那トンネルについてはひと言の言及もなかった。


これこそ詭弁と言うべきではないでしょうか。

なんだか文章構成も妙な感じがしますが、それはさておき。

記事でも書かれている通り、丹那トンネルの掘削では大量の出水が起こりました。突発湧水にも見舞われただけでなく、盆地の底に数多くの水抜坑を掘って湧水を止めさせようとしたことも大きな要因です。

鐵道省作成の丹那隧道工事誌からの引用です。

丹那トンネル真上に設置された観測用井戸での水位変化などを表したグラフです。
丹那隧道湧水量 - コピー.JPG
分かりにくくて申し訳ありませんが、左上から右下へ斜め下に延びている折れ線グラフが観測井戸での水位です。昭和5年6月頃から昭和8年7月頃にかけて、3年余りの間に400尺つまり約120m下がったことがわかります。


グラフ右側の目盛は「湧水量」で単位は「立方尺/秒」すなわち約0.027立米/秒となっています。上から二番目の折れ線グラフは「東西口合計湧水量」で、左端の昭和5年5月から昭和9年2月頃にかけての3年9ヵ月の間、ひたすら50~60立方尺/秒つまり1.5立米/秒前後の割合で地下水が流れ出していたことがわかります。

この間を1400日と見なすと、単純計算で1400日×24時間×3600秒×1.5㎥/秒で、約1億8000万立米の水が抜けたということになります。これが「芦ノ湖3杯分の水が抜けた」と形容された大量湧水の一端です。大正7年の工事開始から昭和8年の開通まで、実にのべ6億立米の湧水が生じたとみられています(芦ノ湖の水量は約1億8000万立米)。

また、トンネルが完成しても湧水が止まったわけではありません。現在でも湧き出し続け、熱海市の上水道に転用されています。

これだけ徹底的に水が抜かれてしまったことで、トンネル頭上の丹那盆地では深刻な渇水被害に見舞われました。稲作やワサビ栽培を断念し、水をさほど使わない酪農への転換を余儀なくされたのは有名な話です。

丹那隧道 渇水状況地図.JPG
見辛いけどグレーの丸印が「湧水枯渇セルモノ」。影響は盆地を取り囲む広い範囲に及んでいる。丹那盆地で渇水が起こったのだから、当然、同盆地から流出する河川(柿沢川)の下流でも渇水が起こり、揚水機設置や補償が行われた。また、盆地の外側でトンネルと交差する来光川でも流量減少が認められ、やはり補償が行われている。


で、小林氏は「何らの渇水被害が見られなかった新幹線の新丹那トンネル」という表現を用いていますが、それはおかしい。徹底的に水を抜かれ渇水被害が起き、水を使わない生業への転換を迫られた場所なのだから、これ以上の被害はもはや起こりようもなかったのではないでしょうか。


なお新丹那トンネルは、戦前の弾丸列車計画として着手され、戦況の悪化に伴い休止、東海道新幹線の建設開始とともに掘削を再開したものです。弾丸列車計画時代と合わせると、工事には合計で6年ほど要していますので、「3年で貫通」というのは誤解を招く表現かと思います。
それに新丹那トンネルが比較的スムーズに掘削できたのは、丹那トンネル掘削時に膨大な量の水を抜いてしまったことと、既に地質が把握できていた面が大きいのではないのかな? 仮に丹那トンネルが存在していない状況で東海道新幹線用のトンネル掘削に着手していたら、後年の上越新幹線中山トンネルのような事態に陥っていたのではないかと。。。

新丹那トンネルを取り上げるのなら、丹那トンネルが地質調査坑&水抜坑の役割を果たしていた面を見落としてはならないと思います。

これをリニアの南アルプストンネルに当てはめると、丹那トンネルが先進坑、新丹那トンネルが本坑、という役割を担うとも見えなくもない。

3ページ目以降は何を主張したいのかよく分からない。

ついでながら「作業員の命より静岡県の水が大事」なんて誰も言っていないし。


この記事へのコメント

雨宮清子(ちから姫)
2023年08月31日 13:17
出来るだけリニア関係の本を読んでいますが、読めば読むほど驚くことばかりです。それにしてもこの小林一哉なる人物はなにゆえこうも知事攻撃を繰り返しているのでしょうか。リニアの問題点を取り上げた本やこちらのブログを読まなければ、つい、信じてしまいそうになります。リニアのおかしな記事が出ているので見ると必ず、この人の記事。静岡県民として不愉快極まりないです。
ブログ主
2023年09月01日 22:58
小林氏が書いた本の出版を巡って知事との間で諍いが起き、個人的な恨みで川勝バッシングを始め、そこに「知事を辞めさせたい人たち」が目を付けたのではないか、という見立てがありますね。


まず、2019年に知事を称賛する本を出版。
https://shizuokakeizaishimbun.com/2019/12/02/rinia24/

しかし、県庁職員に買わせる目論見が外れて大損をした。それで憂さ晴らしに自身のサイト(静岡経済新聞)でバッシングを始めたのではないか?

実際に静岡経済新聞の記事を追ってゆくと、2020年に入ると少しずつ雰囲気が変わって、秋にはバッシングに変わっている印象があります。そのうちにそのうちにニュースサイト(最初は東洋経済オンラインに掲載するようになり、やがてYahoo!にも転載されるようになった。次いで現代ビジネスとPRESIDENT Onlineに活躍の場を移されています。

同時に、小林氏は昨年夏に飛鳥新社から
『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太 「命の水」の嘘』を出版。この頃から飛鳥新社つながりでしょうけど、月刊HANADAに寄稿したり動画に登場するようになりました。

(今年に入ってからは、小倉健一という人物も、小林氏の記事をもとにしてデタラメな記事を量産してますね。)

もちろん根拠があるわけでなく、全くの憶測です。陰謀論といえばその通りなんですけど、「コシヒカリ」が今頃大騒ぎになる辺り、裏で何かやっているのだろうなぁと思わざるを得ません。
柴橋
2023年09月02日 18:21
小林氏はリニアを疑問視する次世代の方々とコミュニケーションを取れているのでしょうか…?以前、鉄道ファンだという若者が参加するリニア問題についてのオンライントークを聞いたことがありますが、リニアがもたらす負の影響の本質を理解されていて、実にしっかりした考えを持っていましたね。
 ただ小林氏は、政府が全く頼りにならないから、国民の危機意識を目覚めさせるために、あえて国民を試すような記事を書いて、”家政婦のミタさん”に徹しているのかも…?
 国交省の有識者会議は形だけのものになろうとしているのではないか、と危惧される記事も。この会議の専門家らは国民の命についての責任を負っていないですよね。

リニア反対署名 大学生ら静岡県知事に提出【大井川とリニア】
2021.3.13

 静岡県内の大学生や高校生でつくる環境活動グループ「フライデーズフォーフューチャー静岡(FFF静岡)」などが12日、JR東海のリニア中央新幹線整備に反対する1637人分の署名を川勝平太知事に提出した。

 県庁でFFF静岡の高井渚沙さん(22)=県立大4年=と、署名活動を共同で展開した国際環境NGOのメンバーらが署名簿を手渡した。リニア工事に伴う水資源や南アルプスの環境に影響が生じないよう問題点や必要性の検証を求める内容。
 高井さんは「若い世代はこれから環境問題に直面する。リニア問題を通して環境を視野に入れた経済発展が必要との議論が深まってほしい」と述べた。川勝知事は「リニア開発の技術を生かすことと、南アルプスの自然環境保護をいかに両立させるのかを考えることが大切」と応じた。
 FFF静岡などは「リニアのいらない未来プロジェクト」を立ち上げ、昨年11月からオンラインでリニア工事に伴う水資源や自然環境への影響について意見交換するイベントを開き、署名活動を行ってきた。

*****************************************************

リニアのトンネル工事で国の有識者会議 議論まとめの方向性
 NHK静岡 NEWS WEB 08月30日19時21分

リニア中央新幹線のトンネル工事を巡り、県内の環境保全を議論する国の有識者会議が開かれ、今後の会議では沢の流量や高山植物への影響などこれまで議論してきた論点ごとにモニタリングや対策を提示し議論をとりまとめていくとする方向性が示されました。

リニア中央新幹線は、JR東海が2027年の開業を目指していますが、静岡県は、南アルプスの生態系などに影響があるなどとして県内での着工を認めていません。
これについて国土交通省による有識者の12回目の会合が30日東京で開かれました。
会合での議論は、トンネル工事による影響についての分析から一段階上がり、モニタリングや対策を検討するステージに入っていて、30日は事務局の国土交通省が今後、議論をとりまとめていく方向性を示しました。
それによりますと、沢の流量や高山植物、残土置き場の影響などこれまで会合で議論してきた論点ごとに、モニタリングの計画や環境を保全するための対策などをまとめていくとしています。
一方、会議に参加した静岡県の森貴志副知事は、「沢の流量の減少だけでなくそれぞれの生物に与える予測も議論を今後、進めてほしい」と述べ、引き続き、詳細な影響の分析を進めていくことを求めました。
これに対し、有識者会議の座長である中村太士北海道大学教授は「沢の流量の予測も不確実性が伴い、すべての影響を明らかにするのは難しい」と述べました。

柴橋
2023年09月02日 23:20
沿線住民でもない私がリニア中央新幹線事業を注視している理由は、自分がリニアの黒幕の一人ではないかという疑念が拭えないためです。
十代の6年間、精神衰弱に加え、凄まじい精神症状に苛まれ、日常というものがなかった私は、20歳になって間もなく、妹の紹介で、天界の方々が降臨しているという人々に引き合わされ、「これから人間たちに先祖供養を教える、そうしないと人類の3分の2が死ぬ」と警告され、彼らの始めた密教の儀式に通い出して僅か数ヶ月で、自殺まで考えたその症状から解放されたため、大変驚嘆し、しかし、もともと短命の運命であったと言われたため、死にたくない一心でひたすら彼らの元に通い詰めたのでした。
 彼らのトップは赤石憲彦氏という赤石山脈を連想させる人物で、なぜか私の経済力を無視して、先祖供養になるという儀式を熱心に勧め、氏が不治の病で急死するまでの間、1千万円を超えるお布施を運び続けました。
…後で知ったのは、密教のルーツは拝火教であるゾロアスター教であり、彼らの儀式を受けるようになってから、母の実家が火事を出し、結果祖母が亡くなり、赤石憲彦氏の死の1か月後には、今度は私の実家が火災で全焼し、火災保険のお世話になる始末。私が生まれつきの発達障害から解放されて、真に心の健康を取り戻せたのは、残念ながら3.11の光景を見てショックを受けたことがきっかけで、どこまで後ろめたい人生なのでしょう。。
 大日如来の降臨した外間啓子氏の眷属を務めていた、元教諭の山﨑晴美さんは当時、「私は先祖供養しない人間はクズだと思います。」と言っていたのですが、彼らのいう先祖供養を頑張った私の人生はクズ以外の何かでしょうか…?その後、密教は先祖を供養するどころか封印されるのだ、と詳しい方に教えてもらい、納得。
 実際、家族に自殺者がいたり、霊が視える体質だったりの悩みを抱えた我々信者が儀式に通い詰めている間、世間では、1.17、酒鬼薔薇聖斗事件、石井紘基刺殺事件、その他数々の切りつけ事件や、特殊詐欺、ブラック企業、職場でのパワハラ、9.11、3.11…。
 その人が本来持っているはずの智慧を封印されたような公人の起こす不祥事、魂を抜かれたような政治家の失政の数々。。
 彼らに出会ったのは、この国で古くから信仰されてきた密教の本質を見抜くという、凡人にはあまりに過酷なミッションだったと気づいた時には、ほぼ全てが後の祭りになっていたのでした。
 フクシマにしても、2011年初頭に、外間さんから「今年は間に合わないかも知れない。神様は別の星を用意しているかも知れないね。」「何が危ないかをわかっていないお前たちの世代が一番危ない。」と謎めいた言葉だけを言われ、え?何のことですか?そんなこと言われてもと思い、しかし、2月には、外間さんの到着を待っているとき、信者のFさんが「このままいったらダメになる!」と叫び、私も自分の意志とは関係なく、急にこみ上げるものがあり、(間に合わなかった)という確信とともにさめざめと涙を流して、来松(松本)した斉藤さんという眷属さんと一緒に大泣きしたのでした。その後の展開は地獄絵図そのものとなり、私が彼らから離れる契機となりました。
…今になってわかることは、最初の神託の意味を取り間違えたのです。
当時外間さんが一部の信者に「日本が沈没するかも知れない、関東以北」と言っていたらしいのですが、それは彼らが呪術の儀式を始めれば、ということだったのです。もう一度人生がやり直せるなら、津波に襲われる立地に建てられた福島原発を、事故を起こす前に止めたかったですね。
 リニア中央新幹線は、推進派勢力に福島原発同様、信者と同姓の人間やかつての取引先が結構います。静岡にもかつて取引先があり、巻き込んでいたら申し訳なく思います。黒魔術の集金プログラミングが残っているような気がして仕方がないのです。リニア参加のゼネコンも最近、チョンボを繰り返していて、つい先日は、国交省までが大井川の護岸工事の不手際で、静岡県民に迷惑を掛けていて、集合意識が操られていないか、心配であります。
 創価学会とも因縁があり、学会はかつて元女優の外間さんを広告塔にするために口説いたことがあり、外間さんはその後、猛烈な学会嫌いに。学会を辞めた元信者が赤石憲彦氏の儀式を受けたこともありますが、多分救いにはなっていないでしょう。
 リニア中央新幹線と同じで当事者は絶望的にとんちんかんな使命感に囚われて暴走していたのです。JR東海と同様、彼らの活動は当時から現在に至るまでブラックボックス。外間さんによれば、人に神を降ろす役割の人々が日本のどこかにいて、彼らはいてもいないことになっているとか。まるで、自衛隊のどこぞの特殊部隊のよう。
 宗教と違って、科学の力でリニア事業が凍結されることを願ってはいますが、我々はいつまで政府の愚策に散財させられ続けるのでしょうか。


雨宮清子(ちから姫)
2023年09月03日 20:23
ブログ主さま
詳細をありがとうございました。私憤からとは驚きました。
実は近くに反知事の古参議員がお住まいで、後援会資料等10年ほど送付してきています。ちなみに私は会員ではありません。その会報にあまりにも知事への批判が書かれているので、なんでかなあと思っておりました。それもあって興味を持ちました。今後も貴ブログをのぞかせていただきます。