断層に沿って導水路をつくるのは可能なのか?
リニア問題を積極的に追及されているジャーナリストの小林一哉氏は、ツバクロ沢発生土置き場の問題について、
知事が変わるだけでリニアはこんなに進むのか…川勝知事退任で結論を180度変えた「御用学者」の無節操
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef211f223bdffbdfb479677274ba4ed6e204e9c1
という記事を書かれているけど、ちょっとおかしいと思うのでありました。
>昨年8月以来、これまで残土置き場に関する議論は行われていなかったが、ほぼ1年後に開かれた9月6日の専門部会で、静岡県はJR東海のツバクロ残土置き場計画をそのままあっさりと認めたのだ。
⇒ウソを書いてはいけません。
ツバクロ沢発生土置場候補地の真下やその対岸急斜面に断層が存在することをこれまでJR東海が報告しておらず、それが新たな重大課題になったのですよ。

【当日の資料より】
アンタは資料も読まずに想像で記事を書いているのかね?
一応、Yhaoo!に問題報告しておきましたが。
ちなみに立体地図で問題の箇所を拡大するとこんな具合。黄色く囲ったところで断層と沢とが一致しており、断層破砕帯に沿って侵食が進んでいる可能性があり、非常に不安定に見えます。

この対岸の断層については、危険性とは別に導水路との関係も気になっております。
2013年9月公告の環境影響評価準備書で大量出水による大井川の流量減少が予測されたものの、大井川にトンネル湧水を戻す具体的な方法は決まることなく2014年10月に事業認可となりました。その後、JR東海は大井川水資源対策検討委員会を設立。翌年にかけての4回の会合を経て、ポンプアップおよび導水路によりトンネル湧水を大井川に戻す方針を提案しました。
導水路は、西俣~大井川の右岸(西側)に沿ったルートが採用され、大部分の掘削はトンネルボーリングマシン(TBM)を用いる方針も明らかにされました。このとき、大井川水資源対策検討委員会で提示された資料を見ても、特に地質条件等の制約については触れておりません。

しかし2019年10月から2020年2月にかけてJR東海が静岡県に提出した資料には、次のような記述がみられました。

大井川の左岸(東側)には長々と断層破砕帯が伸びており、それに沿ってTBMで長いトンネルを掘ることは困難であり、破砕帯を避けると土被りが大きくなって施工上の制約になることから、導水路を左岸に設けることは難しいと判断したそうです。
それから4年余りを経た今年8月。
ツバクロ沢発生土置場候補地についての検討会議において提出された地質図で、はじめて導水路想定ルート沿いの詳細な地質が明らかにされました(ごく一部区間だけ)。

この図によると、確かに左岸側は断層破砕帯や割れ目集中帯で埋め尽くされています。しかし、それは右岸側も同じらしいのです。この範囲内に限れば、断層を示す黒い線の密度は、むしろ右岸のほうが多い。

(左:2024年8月公表 右:2015年11月公表)
2020年のJR東海による説明を素直に解釈すれば、現在の導水路案の実現性もアヤシイと考えざるを得ません。
詳しい地質図が作成されたのは2018年とのこと。右岸に導水路を通すことを決めた大井川水資源対策検討委員会の段階(2014~15年)では、右岸側の地質条件は判明していなかったのかもしれません。なお、この区間には発電用の導水路も通ってないので先例もない。
JR東海によれば、導水路案はトンネル湧水を大井川に戻すための唯一の方法。それが実現困難だとすれば、今までの議論は全て無に帰します。
あらためて導水路案の実現性を再検討すべきではないでしょうか。
「掘り始めたけど掘れなかった」では困るのですから。
知事が変わるだけでリニアはこんなに進むのか…川勝知事退任で結論を180度変えた「御用学者」の無節操
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef211f223bdffbdfb479677274ba4ed6e204e9c1
という記事を書かれているけど、ちょっとおかしいと思うのでありました。
>昨年8月以来、これまで残土置き場に関する議論は行われていなかったが、ほぼ1年後に開かれた9月6日の専門部会で、静岡県はJR東海のツバクロ残土置き場計画をそのままあっさりと認めたのだ。
⇒ウソを書いてはいけません。
ツバクロ沢発生土置場候補地の真下やその対岸急斜面に断層が存在することをこれまでJR東海が報告しておらず、それが新たな重大課題になったのですよ。

【当日の資料より】
アンタは資料も読まずに想像で記事を書いているのかね?
一応、Yhaoo!に問題報告しておきましたが。
ちなみに立体地図で問題の箇所を拡大するとこんな具合。黄色く囲ったところで断層と沢とが一致しており、断層破砕帯に沿って侵食が進んでいる可能性があり、非常に不安定に見えます。

この対岸の断層については、危険性とは別に導水路との関係も気になっております。
2013年9月公告の環境影響評価準備書で大量出水による大井川の流量減少が予測されたものの、大井川にトンネル湧水を戻す具体的な方法は決まることなく2014年10月に事業認可となりました。その後、JR東海は大井川水資源対策検討委員会を設立。翌年にかけての4回の会合を経て、ポンプアップおよび導水路によりトンネル湧水を大井川に戻す方針を提案しました。
導水路は、西俣~大井川の右岸(西側)に沿ったルートが採用され、大部分の掘削はトンネルボーリングマシン(TBM)を用いる方針も明らかにされました。このとき、大井川水資源対策検討委員会で提示された資料を見ても、特に地質条件等の制約については触れておりません。

しかし2019年10月から2020年2月にかけてJR東海が静岡県に提出した資料には、次のような記述がみられました。

大井川の左岸(東側)には長々と断層破砕帯が伸びており、それに沿ってTBMで長いトンネルを掘ることは困難であり、破砕帯を避けると土被りが大きくなって施工上の制約になることから、導水路を左岸に設けることは難しいと判断したそうです。
それから4年余りを経た今年8月。
ツバクロ沢発生土置場候補地についての検討会議において提出された地質図で、はじめて導水路想定ルート沿いの詳細な地質が明らかにされました(ごく一部区間だけ)。

この図によると、確かに左岸側は断層破砕帯や割れ目集中帯で埋め尽くされています。しかし、それは右岸側も同じらしいのです。この範囲内に限れば、断層を示す黒い線の密度は、むしろ右岸のほうが多い。

(左:2024年8月公表 右:2015年11月公表)
2020年のJR東海による説明を素直に解釈すれば、現在の導水路案の実現性もアヤシイと考えざるを得ません。
詳しい地質図が作成されたのは2018年とのこと。右岸に導水路を通すことを決めた大井川水資源対策検討委員会の段階(2014~15年)では、右岸側の地質条件は判明していなかったのかもしれません。なお、この区間には発電用の導水路も通ってないので先例もない。
JR東海によれば、導水路案はトンネル湧水を大井川に戻すための唯一の方法。それが実現困難だとすれば、今までの議論は全て無に帰します。
あらためて導水路案の実現性を再検討すべきではないでしょうか。
「掘り始めたけど掘れなかった」では困るのですから。
この記事へのコメント
技術的な課題をクリアできるかどうかはもちろんなのですが、最後はやっぱり関係者の良心に懸かっていると思うのです。後の祭りになったとはいえ、沿線住民を慮れるなら、それほど愚かではないはず。
椹島ロッジに宿泊客が取り残されたとのことで、久しぶりにロッジの写真を見て驚きました。以前、ここはリニア工事関係者の前線基地になったとの報道があって、登山基地として利用した頃とは様変わりしていてがっかりしたことがあります。でもさらに宿舎が並んで工事現場になってしまったんですね。今回の報道では「リニア工事関係者の宿泊施設」を、ほとんど報道しませんね。小林某といい、メディアといい、何かに誰かにおもねるいやらしさを感じました。