あまり遠い未来の話に鬼が笑いそう

JR東海の丹羽社長が静岡県の鈴木知事を訪問。席上、丹羽社長からはリニア名古屋開業時には、静岡駅と浜松駅に停車する「ひかり」が、現状の毎時1本から毎時2本に、大阪開業時にはさらに停車数の増加と、「こだま」の増便を目指すとの考えが示されたそうです。

で、県内から歓迎する声があがっているようですが・・・ちょっと違和感。

例えば、静岡市の難波市長や浜松市の中野市長が歓迎しているのですが、静岡駅も浜松駅も、どちらも大井川流域ではありません。静岡や浜松の市民がリニア工事によるリスクを背負い込むわけではない。

肝心の大井川流域にメリットがもたらされなければダメでしょう。




それから・・・


現在、北陸新幹線の敦賀以南のルートを巡って迷走中です。

自民党が、小浜・京都経由で大阪に向かうルートを決め、2019年11月にはアセスが始まりました。

しかし異論が続出。

このルートだと、京都盆地での地下水への影響、京都丹波高原国定公園での環境・景観への影響、ひたすらトンネルとなることによる膨大な発生土の処理などなど、環境保全上の課題が大きくなります。京都の酒造組合、仏教会など様々な方面から懸念の声が出されています。

そのうえ建設費負担を巡るゴタゴタ、国の示した費用対効果への不審など、部外者には非常に分かりにくい構図となっております(本当に分からない)。

そんな中、米原ルートが再浮上してきました。なかには東海道新幹線への乗り入れは可能だとする意見もあるようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/420170d1233704f5d4e32fe54889054543b27f14

仮に北陸新幹線が米原ルートとなった場合、乗り換えの有無にかかわらず、米原-新大阪間の輸送は、大部分を東海道新幹線で担う必要があるでしょう。

そうなったら、東海道新幹線のダイヤにはさほどの余裕は生じないのではないでしょうか?

静岡駅と浜松駅に停車する「ひかり」が、現状の毎時1本から毎時2本に、大阪開業時にはさらに停車数の増加する・・・という話は、国土交通省が2023年10月に示した

「リニア中央新幹線開業後の東海道新幹線の利便性向上等のポテンシャルについて」
https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo03_hh_000100.html
東海道新幹線ポテンシャル.jpg


がベースになっていると思います。国土交通省による予測がJR東海社長の口から語られた、ということなのでしょう。

この予測は、

『東海道新幹線の輸送需要見込み減少量等を踏まえ、2019年10月時点下り列車の停車回数(臨時便を除く)をもとに、各駅の停車回数が機械的に一律で1.5倍増加すると仮定した場合』

というもの。北陸新幹線が米原発着となるケースなどは想定しないようです。


なにしろ大阪開業は、少なくとも20年は先の話。あんまり遠い将来のことを言うと鬼が笑うのでは・・・? もうすぐ節分ですが。

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