基底流出が激減するという予測が出された

13日に、静岡県 中央新幹線環境保全連絡会議 第15回生物多様性部会専門部会 が開かれました。


今回、はじめてトンネル工事が基底流出に及ぼす影響が予測されました。

山地に雨が降ると、いったんはほぼ全量が地下に浸透するとされています。地下に浸透した水は、地下浅いところを速やかに進んで早々と河川に湧き出す成分と、地下深くに浸透し長期間かけて流出する成分とに分けられます。一般的に、前者を直接流出、後者を基底流出とよびます。

雨が降って(あるいは雪解け水が川に流れ込んで)川の流量が急に増すのは直接流出によるものです。

いっぽう、数週間~数か月にわたりまとまった雨が降ってないときに河川を流れている水は、基底流出によるものだと考えられます。「山が蓄えている水」とみなせます。

山岳部でのトンネル工事が地下水に与える影響を見積もるのであれば、あるいは水生生物が暮らしてゆけるのか議論するのであれば、基底流出という視点が欠かせません。しかしJR東海による予測では、これまで直接流出を基底流出とを分けていませんでした。

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こちらが今回示された予測です。西俣非常口付近を対象としています。
渇水期基底流量.jpg

令和5年度に最も流量が小さくなったのは2月中旬でした。つまり2024年2月中旬。これを基底流出量とみなし、それがトンネル工事によりどのように変化するのか予測したものです。

GEOFLOWS(静岡市による委託調査で使われた予測モデル)では、約毎秒0.17トンが毎秒0.08トン減少、JR東海が採用した予測モデルでは毎秒0.15トン減ってしまってゼロに近くなるというものでした。

あくまで予測であり、しかも薬液注入など行わないという前提条件ですが、、、かなりヤバいんじゃないかなと思います。

西俣非常口付近を流れる水は、上流の複数の沢によって涵養されています。その西俣の水が非常に少なくなるというのは、西俣を涵養する沢の水が非常にやせ細ることを意味しているのではないでしょうか。




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