第三の丹那トンネル?

ちょっとリニアとは直接の関係のない話題。

神奈川県の大磯町から小田原市にかけて相模湾沿いに延びる西湘バイパス。現在、これを延伸して熱海を経て函南町付近で伊豆縦貫道に接続させる「伊豆湘南道路」の構想が進められているそうです。

東京-横浜-静岡「第三の東名」計画ついに動くか? 「伊豆湘南道路」27年目の“新局面” 難工事は確実の壮大プロジェクト

南北に山並みが連なる地形条件から、熱海と函南の間は長大トンネルとなりそうです。東海道本線丹那トンネル(1934年)、東海道新幹線新丹那トンネル(1964年)に次ぐ、「第三の丹那トンネル」になるのかもしれません。

丹那トンネルといえば大量出水。工事が難航したとともに、トンネル頭上の丹那盆地の地下水をすっかり涸らしてしまいました。

掘削中に湧水が発生し、本坑への湧水を減らすために水抜坑を設け、それでも止まらなかったので新たな水抜坑を・・・といった具合で盆地の下に水抜坑を何本も設置し、結局は芦ノ湖3杯分に相当する6億立米もの水が抜けたとされています。

不鮮明で恐縮ですが、下のグラフによれば、トンネル両側への湧水量は常に毎秒50~70立方尺トンネルもありました。1立方尺は約0.027立米なので毎秒1.3~1.9トン程度に相当します。その結果、頭上に設置した試験井戸の水位は400mも下がってしまい、盆地の地下水が涸れたことを表しています。
丹那隧道湧水量 - コピー.JPG
【丹那隧道工事誌より】

静岡県では、リニアのトンネル工事に際し、丹那トンネルと同じような水枯れが起きるのではないかと危機感を抱き、協議を続けている所です。
https://www.pref.shizuoka.jp/kurashikankyo/kankyo/1040554/1002001/1007416.html

ところで、国土交通省の中央新幹線小委員会において、リニアのルートを南アルプス経由に決めた際、環境への影響はほとんど検討されていませんでした。

後々になって大井川の水資源はじめ南アルプス地域での環境保全が大問題となり、建設指示から14年(事業認可からだと10年7カ月)を経ても着工できずにいる根本的な原因はここにあります。環境への影響を考慮しつつ南アルプスルートの実現性を検証し、そのうえでルートを決めて事業着手させていれば、11年近くもストップしたままという奇妙な事態は避けられたでしょう。

さて伊豆湘南道路ですが、この構想には静岡県も主体的に関わります。県庁にも委員会が設置され、熱海や函南ではいつの間にやら住民アンケートも行われていたようです。

「第三の丹那トンネル」において、あらたな水問題を引き起こすことは絶対に避けなければなりません。そのためには構想段階での十分な環境配慮が欠かせません。それが東海道本線丹那トンネルの教訓です。リニアと違い、今度は静岡県がルート選定に関わるわけですから、誰から見ても納得できるような環境配慮が求められるところです。










この記事へのコメント