東海環状自動車道 養老トンネル掘削で湧水が止まらないらしい

(12/24加筆)
岐阜県と三重県との境に南北に連なる養老山地。ここを貫く東海環状自動車道・養老トンネルの工事が、大量湧水によって阻まれているそうです。
"東海環状道"全線開通めど立たず 噴き出す大量の水は1時間に約400トン トンネル掘れない日も 残り約1.5キロメートルの工事難航
12/21(日) 6:03配信 CBCニュース

ニュース動画には、トンネル掘削面が崩れる様子も映し出されています。
CBCテレビ 東海環状道 開通のめど立たず…。噴き出す大量の水、トンネルの開通は? 


何でも、2023年11月に突発湧水が発生してからずっと止まらず、掘削がほとんど進まなくなってしまったとのこと。

NEXCO中日本が2024年4月25日に開いた会議では、出席委員から次のような意見が出されています。

今回発生した湧水は支保工の一つであるロックボルトのモルタル注入が施工できないほど水圧が高く、安全に施工するためには、水抜きボーリングや止水のための補助工法などを実施することが必要
・今後も断層や亀裂の状態など地質の予測が難しく、残る掘削区間における湧水発生位置の特定は困難
・今後のリスクを早期に予測し、掘削工事を着実に進めるため、地質状況を把握する調査を継続的に実施
・先進する避難港の掘削により得られた地質情報や水抜きの効果を本坑の施行にも活用
当該トンネルは養老断層により隆起した養老山地に位置。養老山地は地下構造物の施工実績が乏しく地質構成の知見が少ない


なんだか南アルプストンネルでの懸念事項がそっくりそのまま当てはまってますねえ。

繰り返しますが、この意見が出されたのは昨年4月。それから1年8ヵ月ほど経っていますが、湧水は止まらず、掘削工事は進んでいないようです。止水対策はうまくいっていないのでしょうか?

養老山地では地質構造についての知見が乏しいとされていますが、それならば南アルプストンネルにおいて「切り札」と目されている「長尺先進ボーリングによる地質確認」「薬液注入による地山改良」は行われていなかったのでしょうか?

また、とにかく水抜きをしてしまえという意見が出ているようで、実際に湧水が止まってないわけですが、周辺環境への影響は懸念されていないのでしょうか。7㎞ほど北には古くから名の知られた養老の滝がありますが、このまま地下水を流出し続けて、将来的にそちらへの影響は発生しないのかしらん。

なお、冒頭に引用したニュースでは、湧水量を毎時400トンと報じていますが、会議資料によれば、これはどうやら岐阜県側(北側)工区での値。三重県側(南側)にも毎時200トンの湧水が起きていたようです。


ところで養老トンネルは深いところで地表から300mほど。湧水が確認されたところは深さ100~200mのようです。そして湧水量は毎時400トン。

これぐらいの湧水で事前の地質確認や止水対策が難航しているのなら、南アルプス静岡工区は絶望的ではないでしょうか?

トンネル深さは400~1200mで、単純計算で養老トンネルの10倍近い水圧が予想されます。想定されている最大湧水量は毎秒3トン程度=毎時約10000トン。文字通りケタが違います。そして水抜き工事はもってのほか

養老トンネル1.jpg
GoogleEarthより複製・加筆

養老トンネル2.jpg
国土地理院ホームページ 電子国土Webより複製・加筆

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