環境影響評価方法書 長野県と山梨県での審議 追記

いつ公表されたのかは存じませんが、環境影響評価方法書に対する長野県での第1回審議と山梨県での第2回審議の議事録が、ウェブ上で閲覧できるようになっています。
 
 
長野県
 
 
また、長野県ではこのほど3回目の審議か開催されましたが、かなり紛糾しているようです。
具体的なやりとりの様子は、審議を膨張された大鹿村の方のブログに詳しく紹介されていますので、ご一読ください。
http://blog.goo.ne.jp/akimtl1984/e/a7eb769b93fb956f15842b4d6ca251d4
横浜市、静岡県での審議でも明らかですが、とかくJR東海側の対応が不適切のようです。そして共通した問題があるように思えます。
 
意地悪で言っているのではありませんが、
①あまりにも方法書の内容が抽象的で、どのようにでも解釈できるような、つまり環境を大きく損なうことが予見されても、事業者側の都合でどのようにでも評価できてしまうという文面が多く見られる
 そもそも、どこを通るつもりなのか、どこで工事をする予定なのか、その絞り込み方はどうするのか、肝心なことが何一つわかりません。
 また、騒音や水質なとで「環境基準を守る」の文面があちこちに見られますが、環境基準というのはあくまで公害防止のために人間の生活空間に合わせて設けられたものです。山々に抱かれた静かな山村、まして南アルプスのような完全な無人地帯では通用しません。
 変な表現ですが、日本列島に稀有な「人工的な汚れを知らない」ような場所もルートには加えられています。そういった場所に品川区と同じ基準を当てはめたうえで評価を行い、大工事をして超伝導リニアを500㎞/hで走らせるのはあからさまに乱暴です。
 
②あからさまに自然・環境に悪いことが露呈するような、都合の悪いことは方法書に記載せず、あるいは評価項目に加えておらいない。評価の際に考慮するのかも不明である。
・ルート予定地に棲息する生物の分権調査結果等の公表が後手に回り、結局公衆(一般市民)には公表されていない、
・工事用道路整備による影響を評価項目に加えていない、
・エネルギー消費についての正確な情報が開示されていない、
・エネルギー効率についてはなぜか新幹線ではなく航空機とばかり比較している、比較におけるCO2排出量の計算方法が疑問
・山梨リニア実験線延伸工事による河川の水枯れに関する記述が皆無、
・工事期間が10年以上と長いこと
等等…キリがないのでやめます。
 
③事業者側すなわちJR東海側は、問題を数多く指摘されながらも「回答は準備諸段階で」という主張が多すぎる。
 評価項目や調査項目の不足、調査方法に関する問題など具体的な問題点が指摘されても、全く誠実に返答していません。準備書が公表される段階では既に調査・評価は終了しており、やり直しを求めることは事実上不可能です(そのような法的規制はない)。これは現段階で明らかな問題点を完全に無視するということに他なりません。「準備書の段階で」というのは、「何もしません」と同じ意味です。
 
④南アルプスに関して、どうしてこの場で大工事を行う必要があるのか、どのような判断に基づいているのか、どこにも明記されていない
 新しい環境影響評価法で盛り込まれた戦略的環境アセスメント(SEA)の基本的条項です。
 
 
この4点に集約されると思います。
 
長野県では当初3回で終わらせる予定だった審議会がもう一度開かれることになったようですが、長野県側南アルプスよりもさらに原生的な自然環境を擁する静岡県側でも、同様に審議を再度行うべきではないのでしょうか。また、隣接する山梨県でも真摯な審議を行うべきではないのでしょうか。
 
 
山梨県第2回審議
山梨県での議事録では、以前も指摘したように、委員長がなぜか場を仕切っているようで深い議論になっていないような印象を受けます。
 
それとは別に、山梨県議事録の最後のほう(31ページ目)に、環境省でリニア中央新幹線環境影響評価方法書に対する調査を行っているらしいという記述があり、現在はまだ途中ということらしいのですが、どのような内容なのか気になります。専門家からは、ルート選定の過程をしっかり記述せよという主旨の意見が出されたようですが、環境面から見たルート選定過程については、紛れもなく国土交通省の中央新幹線小委員会に明らかな問題があったわけでして、そこまで追求してもらわないと困ります…。
 
 
 
 
なお、その他の審議状況についてこちらにリンク集を作りましたので、興味がある方はご覧ください